
↑もらったチラシ
2016シーズンも5分の1程度を消化した今、この作品を思い出すと、妙にせつなくなります。
そうでなくても、ファンにとってはとてもせつない作品でした。何せ、冒頭の場面は昨シーズンの最終戦が終了した瞬間なのですから。「もし、こういう結果でなかったら、どんな映画になっていただろうか」と、鑑賞中に何度も考えました。選手やスタッフのインタビュー、対談、試合映像、練習風景……たくさんの映像が撮影され、それらは「編集」という作業をへて、作品になります。もし昨年の終わりが笑顔だったら、同じ映像を使用したとしても、まったくテイストの違った作品になっていたことでしょう。
忘れられない選手トーク
選手たちのトーク(&食事)場面は、雑誌のインタビューなどでは読めないような発言もあって、なかなか興味深いものでした。もはや記憶の彼方ではありますが、印象に残ったのは、徳永選手と羽生選手のベテラン2人のトーク。「武藤選手が移籍しなかったら、優勝が狙えたかもしれない」という話題では、ベテランの域に達した2人ならではの「引退する前に一度は優勝したいよね」という本音がうかがえて、ちょっとハッとしました。
「たられば」は禁物ですが、確かによっちが残っていてくれれば、年間順位はもう少し上だったかもしれません。ファンはただ見守り、受け入れ、ついていくことしかできませんから、彼の移籍も何となく受け入れてしまいましたが、今思うと、昨年前半が東京がリーグタイトルにいちばん近づいたときだったのでしょうね。
また、「この2年で守備の意識は植え付けられたと思うけど、これから時間がたつにつれて薄まっていくだろう」というようなニュアンスのことを徳永選手が話していたのも印象的でした。「2年で監督が替わっていっても、それぞれの監督の残したものは選手たちに蓄積されていくから」というのは現強化部長の弁ですが、実際には「蓄積」されるというよりは「上書き」されちゃっているのだろうなあ……と、今年の東京を見ていると感じます。
また、橋本&野沢選手のトークで初々しさと微笑ましさを感じたり、石川選手がこんなにもFC東京の顔になるとは思わなかったな~としみじみしたりと、ファンとしては十分に楽しめた映画でした。やっぱり、試合を振り返ることがメインの「シーズンレビュー」とはひと味もふた味も違いますね。
最愛の東京ドロンパ君は、たしか8カットくらい映り込んでいたんじゃないかな(主に試合後のゴール裏シーン)。今ではすっかり耳に馴染んだ「BAILE TOKYO」を初めて聴いたのはこの作品のエンディングで、歌詞に「ドロンパ」と入っていたことにたいそう気をよくしていたのを思い出しました^^;
今シーズンへの違和感
この作品では「首都のチームは優勝争いをしなくてはいけない」というようなことを、社長、スタッフ、選手などいろいろな立場の人が語っています。もしかしたら、それを周知、あるいは宣言するための作品なのかな?とも感じました。そして、本当にそのために今年の監督を選んだのだろうか!?とも……。
映画を見たときに抱いた懸念は、あれから2か月近くをへてますます大きくなりつつあります。わたし個人は今年は特に「ただの東京ドロンパファン」なので、東京がどんな順位であろうとあまり気にならないのですが、「優勝争いをする首都のクラブ」という理想からはズルズルと遠ざかっているのは現実です。
2016シーズンが終わったときに、もう一度見なおしてみたい映画ではあります。
誰のための映画!?
それにしても、この映画は何を目的につくられたのだろう?とも思うのです。FC東京ファンにとってはおもしろい作品でしたが、それ以外の人にとってはどうなんだろうと。Jリーグの他クラブのファンにとっては、ドキュメンタリーとしてそれなりに興味深いでしょうが、鑑賞に1800円を出すかどうかというと微妙。海外サッカーファン、代表ファンは興味はもたないような気がします。DVDやBlu-rayが売れるかどうかといえば、全SOCIOが買うとしても(ファミリー層もいるので)1万枚は売れないだろうなあ。
まぁそんなちぐはぐさも、FC東京らしいといえばらしいのですが^^;
でも、「シーズンレビュー」にはないよさがあるのは確かです。できれば毎年、たくさんの映像を録り貯めていってほしいなあ。そして、いつか優勝したときに、それまでのたくさんの映像をまとめて、大河ドラマのような映画をつくっていただきたいものです。だって、今はスマホでも映画がつくれるんですからね!(映画「ユルネバ」はかなり好きでした!)
おまけ:タイトルが読めなかった件
そうそう、映画のタイトルが読めないのはちょっと問題だと思いました^^; エンディングでテーマ曲を聞くまで、ずっと何と読めばいいのかわからなくて「FC東京の映画」と呼んでたので。そして、今でも意味がわからない!
……さすがにこのままブログを書くのはマズいので、公式サイトを参照。さんざん探して、RIP SLYMEさんのコメント内でようやく意味がわかりました……
「baile という言葉にはダンスやパーティーという意味と、ブラジルのフットボールシーンでは圧勝のムードで好き勝手にプレイが出来てしまうゲームの事を表す」のだそうです。はぁ、そんなパーティー気分になれるような試合、早く経験したいですね。
ドロンパが踊れば何でもOK!
気を紛らわせるために、Tokyo Dorompa CHANNELの「BAILE TOKYOを踊ってみた!」を貼っておきます! 昨日の「多摩川クラシコ」でも、ふろん太やエネゴリくんと一緒に踊ってくれました!

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