実は、そんな映画が公開されているということすら知らずにいたのですが(そーいえば、ミッキー・ロークが映画に復帰ということはどこかで読んだかも)、見終わってみれば「これは今年のベスト・ムービーかもしれない」と思わせるほどの秀作でありました。
それを裏付けるデータとしては、「本年度アカデミー賞主演男優賞・助演女優賞ノミネート」「ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞」「ゴールデングローブ賞主演男優賞・主題歌賞受賞」という輝かしい受賞歴があったりもするのですが、やはりここは実際に見てください!というしかないかな。
ストーリーは、ものすごくシンプルです。
1980年代半ばに、悪役中東系レスラーを倒して全米王者にのぼりつめたプロレスラー、ランディ。だが、伝説の試合から25年たった今は、家族にも見放され、スーパーのアルバイトと場末のプロレスを続けながらのトレーラーハウス暮らし。ある夜、ハードコアな試合の後に倒れた彼は、心臓のバイパス手術を受け、医師からプロレスを禁じられる。閉塞状況の中、プロモーターから「25年ぶりに伝説の試合を再現しよう」ともちかけられた彼は、試合出場を決意するのだが……。
追い詰められ、悲劇に向かってひた走る初老のレスラーを演じるのがミッキー・ローク。でも、そう知らされなければ、主役がミッキー・ロークだとは誰も気づかないかもしれません。それほどに、彼はプロレスラーにしか見えないから。昔はうわべだけの俳優のような気がしていたけれど、演技には見えない迫力にひたすら圧倒されてしまいます。
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