これほどしっくりとくる日本代表は初めてだった。
彼らを応援できたことを、本当に誇りに思う。
南アフリカ大会ではベスト16での敗退が決まったが、
日本代表は少しだけ「世界標準」に近づいたような気がしている。
今回をあわせれば、日本代表がW杯に出場したのは4回にもなる。
でも、98年と06年については、世界の多くのサッカーファンは、
日本が出場したことすら覚えていないのではないだろうか。
02年については覚えているかもしれないが、
それは「開催国だから」であって、
どんな戦いをしたチームかは記憶にないだろう。
でも、今大会の日本代表は違う。
海外のメディアが、日本代表の個々の選手や戦術について
あれだけ取り上げてくれたのは初めてではないだろうか。
W杯の楽しみ方のひとつに、
「サッカー大国ではなくても、頑張るいいチーム」を応援する、
というのがある。サプライズ探しとでもいうのだろうか。
今大会の日本は、まさにその「サプライズ」。
世界のサッカーファンが自然と応援したくなるような
パフォーマンスをしていたと思う。
今大会初のPK戦を、日本は頑張って闘い抜いて、そうして散っていった。
敗退するのは日本だけではない。
クリスチアーノ・ロナウド擁するポルトガルだって、
同じベスト16で負けていくのだ。
偉大なる敗者たちの一角に、日本代表は存在している。
4年後、もしブラジル大会に日本代表が出場できるとしたら、
「4年前はベスト16までいったチームだよね」と
世界の多くの人が思い出してくれるかもしれない。
そんな「記憶に残るチーム」に日本がなれたのならいいのだが。
今までの日本は「W杯に参加することに意義がある」みたいなチームだった。
W杯へたどり着くことがまず目標で、
その後は「楽しんできます」みたいなオノボリさん気分だった。
でも、これからは違う。
W杯へ出場するからには、それにふさわしい試合をしなくてはならない。
日本だけでなく、世界中の注目を集めることの重要さと気持よさを、
今回の大会では皆が感じたはずだ。
日本の冒険は、これから始まるのだ。
◆
選手たちの帰国は決まったが、
西村雄一さんの審判セットはさらに上に進むことが決定している!
すでに3試合をジャッジしている西村さん。
残り8試合、少しでも長く、少しでも多く、すばらしい体験ができますよう。
そして、それらをJリーグに持ち帰って、
よりよいジャッジへとつなげてください!
08年のユーロ決勝を裁いたロセッティさんは落選ですよ。
副審のせいかもしれないとはいえ、あのアルゼンチンメヒコ戦のせいかな。
とはいえ、その前の試合も、あまりよくなかったような記憶が……。
イタリア代表が早々と大会を去っただけに、
もう少し南アフリカに残りたかっただろうに……。
このままだと、決勝はハワード・ウェブさんが裁くかも!?
欧州のカップ戦やプレミアではあまりいい印象がなかったけれど、
今大会では実にそつなくこなしている印象。
08年ユーロでの失意の表情が記憶に残るだけに、
すばらしい復活に拍手をおくりたい。
かくも人は進歩できるのだ(もちろん劣化することもある)。
日本代表だって、もっともっと進歩できるだろう。
◆
昨日の戦いを見て、感動した人は多いだろう。
そういう人たちをひとりでも多く、Jのスタジアムへ連れていくことが、
今、Jにかかわっている人たち(ファンも含めて)の使命だ。
どうすればいいのかは、これから少しずつ考えていこうと思う。

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