2ステージ制、決まってしまいました。
不思議なのは、新しいシステムを決めた側も「理想は1ステージ制」と言い切っていることです。つまり、理想をかなぐり捨ててでも、
2ステージ制にしなければいけなかったということなのでしょう……その理由は、要するに「金」です。
それも、1枚数千円のチケットの売上を増やしていこうというのではなく、もっと手っ取り早く大きな金額が得られる「放映権料」「スポンサー」によって収入を増やそうというのです。
本来であれば、地道に「体質改善」していかなくてはならないところを、こうした「ドーピング」で乗り切ろうというのは、それだけ危機感が強かったことの証でしょう。でも、ドーピングでの改善は一時的なもの。それだけに頼らず、やはり全体的に、じっくりと努力していかなくてはならないでしょう。
◆
ところで、このニュース、われわれにとってはものすごく重要な「事件」でしたが、世間ではまったくそうは思っていないようでした。
昨夜、23時すぎのNHKのスポーツニュースをつけていたところ、10分ほどの枠で報道されたのはカーリングと大相撲とプロ野球と大リーグの青木。サッカーの話題はまったく出ませんでした。NHKは天皇杯を共催し、地上波でJリーグ中継をすることもある、今どき奇特な局ではありますが、それでもこの扱いです。
現在でも、Jリーグの結果にはたいしてニュースバリューはありません。毎週、J1の結果が「スコア一覧」という名のテロップ1枚で知らされる程度です。時間を割いて報道されるのは、優勝が決まったときと、カズさんが最年長ゴールの記録を更新したときくらいかな。毎日の結果が詳細に報道されるプロ野球とは雲泥の差です。
Jリーグの試合自体の地上波放送を増やすよりも、地上波のスポーツニュース内でもっと時間をとってもらえるように努力するほうが、結果的にはアピールにつながるんじゃないかな。もっともさ来年以降は、優勝が決まる回数が増えるので、30秒くらいは露出が長くなるかもしれませんが^^;
今回のことは改めて、Jリーグが「井の中の蛙」でしかないことを思い知らされてしまった事件でもありました。
◆
さて、新たなチャンピオンシップ(名称知らない)にはスポンサーがついて、地上波での中継が行なわれることになるのでしょう。でも、はたしてそのスポンサーは「費用対効果」を実感できるでしょうか。
たぶん、地上波での視聴率はそれほどとれず、NHKはもちろんスポンサー名を抜いて報道し(ナビスコ杯だって「リーグカップ」ですからねえ)、昔からのJリーグのファンはこの新たなスポンサーにはよいイメージをもたないでしょう(「ナビスコ」のように愛着をもつことはなく、むしろ敬遠しそう)。
(試合の開催時期が12月で、ゴールデンタイム放送を狙ってのナイトゲーム、しかもチケットもいつもより高額……になりそうだと考えると、当該チームのファン以外はあまり行かないんじゃないかな~。まして、日本でクラブワールドカップが開催されたりしたら、ますます注目度が下がるだけ^^;)
だとすると、このスポンサーがつくのも、せいぜい契約期間内で終わりでしょう(5年という噂です)。Jリーグは、ドーピング的な収入がある5年のあいだで、大幅に体質改善しなくてはなりません。
◆
ここからは、「どうしたらJリーグに関心が集まり、お客さんが増えるか?」を考えてみます。
アプローチのひとつは「日本代表」。代表の試合は親善試合でもプラチナチケットなのに、Jリーグではそうはなりません。一方で、J2のガンバ大阪のアウェイゲームのチケットが完売になるのは、遠藤選手や今野選手を見てみたいと思う人が多いからでしょう。
でも現実には、代表選手の所属チームの大半は海外のクラブで、J所属選手の代表組は、呼ばれても試合に出ることもままならない状態です。それならば、J所属の代表選手をもっと増やしてほしい!と思うのです。
先日の東アジアカップでは、J所属の代表選手が主力で登場しましたが、それなりに視聴率を取ることができました。同じように、大会によってはもっとJリーグの選手を活用してもらいたいと思うのです。「B代表」というか「J代表」ですね。うまくいけば、選手の裾野も広がるし、もっと一般の人の注目も集められるのではないでしょうか。
◆
いきなり個人的な話ですが、わたしの叔母夫婦は宇都宮に住んでいます。先日、雑談の途中、話題がサッカーのことになりました。すると、叔父は「俺も券もらって行ったことあるのよ、栃木の試合。でも、弱いからねー。それに、俺でも下手だってわかるよ。やっぱり代表とは違うよねー」と言うのです。
代表レベルを求めてJ2の試合に行くのはちょっと違うのでは!?とは思いますが、同じ「サッカー」だからそう思ってしまうんだろうなー。これが「孫が出る試合」であれば、子供サッカーだろうと何だろうと全力で応援するのでしょうが……。地域にサッカーが根付くかどうかの基準は、その地域の人が地元チームの選手を「家族」のように思えるかどうかによるのかもしれません。
一方で、宇都宮を代表するスポーツイベントといえば、毎年秋に開催される自転車レース「ジャパンカップ」。こちらについては、叔母が楽しそうに話してくれました。「そのへんの店先に、すごくカッコいい外人さんがいて、フツーに買い物してるのよ! スラっとして俳優みたいなの! それで、お父さんに頼んでレースに連れてってもらったの!」……なんなんだこの差は……(笑)。
フツーの日本人サイクリストだとちょっと気恥ずかしいジャージ姿も、外国人選手だとすごく決まっていて「キラキラして王子様のよう」なのだそうです。おまけに、声をかけると気軽にサインでも何でも応じてくれるそうで、60代の叔母でも目がハートになってしまうというわけです。かくして、叔母はすっかり自転車レースファンになり、毎年、レース結果が大々的に報道された「下野新聞」を送ってくれるようになりました。
……というわけで、Jリーグにも、実力のあるキラキラした外国人選手に来てほしいですね! プロ野球でも、最下位のヤクルトの試合が完売になるのは新記録がかかったスター選手がいるからでしょう。今の日本には地震や原発リスクがあるので、なかなか来てくれる人はいないのかもしれませんが、
2ステージ制にすることで得られたお金を、「スターを呼ぶ」というところに投資してもいいのではないでしょうか。
◆
直接、観客増に結びつくかどうかはわかりませんが、ネットの活用についてももっと考えてもらいたいと思います。
だって、最近の若者はそもそもあまりTVを見ないそうじゃありませんか。TVを持たない人も増えているとかで、そんな時代に「地上波で放送!」といっても、放映権料以外のメリットがあるとは思えません。
もちろん、全試合放送してくださるスカパーさんには最大限の配慮をしつつ(現実問題として、J全試合を放送してくれる局なんてスカパー以外にはありえないから)、ダイジェストや試合映像を利用した自由なネットプログラムが作れるようになるといいな~なんて考えてます。
個人的に見てみたいのは、「判定の検証番組」。この手の番組、海外では日常的に放送されているようですが、日本ではタブーにあたるらしくて(笑)、まったく放送されません。一時期のスカパーのハイライト番組では審判のジャッジの正当性について考察するコーナーがありましたが、これも圧力(?)か何かでなくなってしまいました。
審判を糾弾することを目的とするのではなく、判定をいろいろな角度から楽しむプログラムってアリだと思うのです。とあるPKだって、片方のチームファンから見れば「まったくPKじゃないのにヒドい判定だ!」ということになるのに、もう片方のファンからは「まったくPKじゃないのにもらえてラッキーだ!」になるのですから。ネットでは盛り上がりそうだけどな~。
試合映像の二次利用をやりやすくして、自由なプログラムを作らせることで魅力を発信し、それを来場につなげていくこともアリだと思います。ハイライトでは試合映像しか見られませんが、スタジアムでは試合前にさまざまなイベントが行なわれていて、それらをおもしろおかしく見せることも有効でしょう。
マスコットたちはゆるキャラではありませんが、もっとマスコットイベントを多くしてもいいですよね~(←結局これか!^^;)
◆
あと、Jの観客を増やす最大の策といえば……
「ワールドカップ招致!」!
これしかありません。
カタールの代わりに立候補しません? で、今度こそ専用スタジアムをちゃんと作りましょう。今なら、東京五輪と費用を折半できるからおトク!かも!?
何を隠そう、わたし自身、02年W杯をきっかけにスタジアムに通い始めたクチですから。
1ステージ制の復活と、Jリーグの繁栄を願いつつ……。
にほんブログ村 ランキング参加中です。クリックしていただけると励みになり、更新にも力が入ります

にほんブログ村