前回、「ここまで来たら最後までやって残留させてくれ」と書いただけに、ちょっと複雑な気持ちです。
2016年の監督人事ほど、FC東京にかかわるあらゆる人を不幸にしたものはないでしょう。2度目の監督要請を受けた城福さんはもちろん、短くも貴重な選手生活の一部を棒に振りそうな選手たちも、優勝争いを期待していたファン&サポーターも、そしてメンツが丸つぶれなフロントの皆さんも。
第一次政権下での城福さんが「光」だったとすれば、今回は最初から「影」でした。自分を含め、多くのファンが「降格の戦犯」という色眼鏡をかけて彼を見ていました。それを知っていたせいか、城福さんもあまり自分の感情を外に出さず、シーズン始めのころはゴール裏から「城福東京」コールがあっても反応すらしなかったくらいです。ゴールに喜ぶ姿も、実に控えめなものでした。
今年加わった選手のうち、阿部選手や水沼選手はたぶん城福さんルートで来たのではないかと思われます。そのわりには、彼らの出場機会も微妙でした。周囲に配慮していたのかどうかはわかりませんが、そんな「遠慮」が随所に感じられ、それに影響されたのかどうか、チームはどんどん萎縮していったような気がします。
新体制発表会で、秋ぐらいには「アクション・サッカー」が見せられるかもと語っていた城福さんでしたが、チームは時間がたつにつれてまとまるどころか悪くなっていくばかりでした。前回の降格を覚えている選手が少なくない中、監督の方針に疑問が生じれば、不安と不信感は増していくほかありません。監督の求心力も落ち、チームワークも失われていったのでしょう。
もっと「城福イズム」を出すことができていたら、こうはならなかったのかもしれません。でも、それが許される環境ではなく、城福さん自身もそう感じていたような気がします。
7月27日売のエル・ゴラッソの表紙は城福さんで、今年の東京の混乱ぶりを伝える記事が並んでいました。城福さんの不可解な選手起用に強化部が改善を要求したことがあったとか、マッシモがチームを不安定にさせていたことは事実だったとか(今さらなぜマッシモ!?)。
でも、これらの内容って、要するにフロントの保身ですよね……。「こんなふうによくない監督だったから解任せざるを得なかった、フロントが悪いわけじゃない」と言い訳しているのと同じです。そして、マッシモの解任理由がそこにあったとすれば、「2年でタイトルがなかったから」というのはただの方便にすぎなかったということになります(たぶんポポさんについても、何かしら軋轢があったのでしょう)。
2011年にJ2降格してから5年。前社長が「自立自立自立!」と尻を叩く中でようやく結果が出せるようになってきたのに、壊れるときは一瞬です。間に合うかどうかはわかりませんが、ここからは東京は「J1残留」を目標に一丸とならなくてはなりません。今の社長がそれに気づいていないようなのが気がかりですが、3人の監督を見てきた新監督が、何とか立てなおしてくれることを期待するしかありません。

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