れっきとしたA代表の試合なのに、世間の注目度はほとんどナシ。A代表とはいえ、いつものメンツではなく初召集の若手ばかりというメンバー構成もあるだろうし、テレビ中継がまったくないというためもあるだろう。
どちらかというと、テロの危険が高まるイエメン情勢ばかりが伝えられ、代表に関しては「こんなご時勢に、のんきに(?)サッカーしに行ってるとは」みたいな色眼鏡報道ばかり。「何か事件が起こればおもしろいのに」みたいな雰囲気さえ感じられる始末だった。
でも、われわれ東京ファンにとっては、これは非常に重要な試合。チームからは、平山、米本、権田各選手が呼ばれているのだ。絶対に見たいけど、TVには映らない。かつて、こんなに見たいと思った代表戦があっただろうか。
ネット中継されるサイト情報を知ったのはもちろんだけど、タイムラインには現地からの情報がリアルタイムで流れてくる。その同時性は、twitterだからこそ可能となったもの。しかも、前監督のヒロミこと原博実さんが「iijikantai」なる素晴らしいログインネームでイエメン情報を発信するに及んで、熱狂はピークを迎えた(ような気がする)。
試合は、日本時間で午後10時から。イエメンからの映像は粒子も粗く、動きはまさに紙芝居。パソコン画面の4分の1にも満たない大きさの画像からは、誰が誰やらもさっぱりわからない(でも平山はわかる!)。twitterのタイムラインでは実況が始まり、「紙芝居」と「アラビア語の謎の実況」から推理しながら、試合を楽しむ様子が刻々と流れていく。
画像はときどき途切れるし、環境は劣悪だったけど、そうであるがゆえにそれを見ている人たちの間には、独特の一体感というか連帯感が生まれて、独特の場ができあがっていった。そんな中での逆転勝利なのだから、いかにその場が盛り上がったことか。ちゃんとしたTV中継だったら、果たしてあそこまで熱狂したかどうか……というのは冗談としても、改めてTV中継のありがたさを思い知った試合でもあった。
まるでナビスコ優勝の翌日のような心地よい疲労感をおぼえた翌日(笑)、トーチュウ様をはじめとした数紙が平山を一面にもってきてくれた。序盤の2失点を責める論調もあったが、あの状況では仕方がないし、むしろそこから3得点して逆転したことをもっと評価してもらいたい。
初A代表でハットトリックというのは、戦後初の快挙だそうだ。昨年からの努力が実って結果を出した平山選手だが、これからが本当の活躍のときだろう。知らない人は「あの平山が?」と思ったかもしれないが、東京ファンはみんな彼の努力を知っている。
代表に選手をもっていかれるのはうれしい反面、心配でもあるけれど、平山にはぜひ南アフリカに行ってもらいたい。そして、オランダ戦でゴールして、「オランダにいたあの平山か!」とオランダ人をビックリさせてやりたいのだ。
昨日の勝利は、そのための第一歩にすぎない。平山頑張れ! みんなが応援している。
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