
↑始まる前の雰囲気はよかった
あらゆる意味で、さびしくかわいそうな試合だった。さびしいのは客の入り具合。浦和戦なのに3万人以下。アウェイゴール裏の2階もがらがらということは、浦和の状況も良くないのだろうが、東京側も少ない。ホームで1勝しかできていないのだから仕方がない。ああ栄枯盛衰……浦和はともかく、東京は栄えたことすらないのに。
そして、かわいそうなのはチーム。3人もの負傷者を出してしまった。交代枠を使い切った後で鈴木達也選手が負傷したため、最後は10人。失点はPKのみ。東京のシュートは例によってポストやクロスバーに阻まれ続けた。
最初に舞台から去ったのは、城福サッカーに不可欠な羽生さん。続いて、高橋選手。過去の試合ではミスや消極的なプレーが多く「大丈夫かな?」と思ったこともあったが、昨日は前を向いての積極的プレー。それが前半で無念の負傷交代とは気の毒としかいいようがない。そして試合終盤には、鈴木達也選手。一見して「ダメそう」に見えたが、交代枠がないので再びピッチに入ってしまった。あれで悪化してなければいいのだが。
すべての非は自分にあるかのような城福監督のコメントには悲壮感が漂う。まだチームが苦境になかったころも、「眠れない/うなされる」といったことがあったようなので(以前、奥様がつぶやかれていた)、今の状況を考えると健康状態が心配になる。クラブは城福監督支持を表明したようだが、チームがJ1に残ることを第一に、さまざまな要素を総合的に判断してほしいと思う。
試合終了後、選手の場内半周まで見ていたが、ブーイングが聞こえなかったことにはホッとさせられた。選手たちに対してもいろいろ不満はあるが、ここでブーイングをするようでは、半死半生のケガ人に石を投げつけるようなものだから。ここまで来たら、クラブもチームもファンも一蓮托生。まさに「心をひとつに」残留を勝ち取らなくてはならない。

↑浦和側にも空席
高校のころ、担任だった教師に繰り返し聞かされたのが「ゆでガエル」の話。
熱湯にカエルを入れると熱いので即座に飛び出すが、水に入れてじっくり熱していくと水温の変化に気づかずにゆであがってしまうというたとえ話。「あなたたちはこのゆでガエルみたいなものです」というのが彼の口グセで、あまりに何度も聞かされたためか、今でも折にふれて思い出すことがある。
今の東京は、この「ゆでガエル」になりつつあるんだろうとも思う。というか、リーグ戦は18匹のカエルが投げ入れられた巨大な鍋のようなものなんだろう。途中で、熱さに気づいたカエルは外に飛び出すことができるが、3匹のカエルはゆで上がる運命にある。
シーズン開始直後は引き分けで勝ち点がとれているので気づかず、気がついたら得点も勝ち点もほとんどとれていない。それでもどこかまだ「大丈夫だろう」という雰囲気を感じてしまうのが非常に心配。とにかく、もっと危機感を! あらゆる手段を尽くして、考えてもがいて戦って、残留してほしい。あっさり淡白なチームではなく、もっと戦い抜くチームが見たいのです……。

↑キックオフ50分前の駐輪場
夜は口直しに、チェゼーナVSミラン戦の録画。
第1節では「優勝候補間違いなし!」という試合を見せたミランに、2-0で勝利! 素晴らしいね! 前節でトッティを削ってイエローをもらった長友は、今節はインザーギを倒してPK……(笑)。いいプレーもたくさん見せているからいいけれど、悪い意味でも目立っていますな~。
長友選手ももちろん素晴らしいのだが、チェゼーナというチームも素晴らしい。選手個人の能力はミランの選手よりも劣っているのかもしれないが、チーム一丸となってよく走り、あきらめず、気迫のこもったプレーを見せてくれる。今年の東京が策に溺れて、こういうシンプルで力強いプレーをまったく見せてくれないことは、あまりにも悲しく残念なことだ。
もうひとつ、チェゼーナのホームスタジアムもいい雰囲気だった。セリエのスタジアムに見えないくらい。最上段までぎっしりお客さんがつまっていて、彼らが必死に応援してくれるのだから、そりゃ選手たちにもヤル気が出ることだろう。
チェゼーナも東京も、チームの目標は「残留」か……と、自虐的に笑いたくなる月曜の午後なのである。
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