この結果により、東京のJ1昇格以来初のJ2降格が決定した。

↑京都は東京よりも15分ほど日没が遅かった
試合前は、ポジティブな情報ばかりが流れていた。東京は勝てば自力で残留できるし、相手はすでに降格が決まっている京都。モチベーション的にも東京のほうが上回るだろうし、代表クラスの選手を多く抱える東京のほうが神戸よりも有利、etc.
しかし、毎年J1の残留ドラマを見て、直近の神戸の数試合での奮闘ぶりを知る身としては、正直いって不安なものを感じていた。神戸は当然ながら勝つだろうから、東京は何が何でも勝ち点3をとらなくてはならない。だが、今の東京にその力……気持ちがあるのかどうか。2年前の最終節、ジェフ千葉が2点リードをひっくり返したときのような、そんな試合を東京ができるのか。

↑好天に恵まれた美しい秋の1日だったが……
悪い予感は的中。いつもの東京ならば、ボールを支配して積極的に攻撃していくのに、最初から攻められっぱなし。選手たちの動きが硬いのだ。緊張なのか、プレッシャーなのか、東京の選手だけ足枷をつけているのか、重力がかかっているのか、とにかくダメだ。序盤から立て続けに京都にCKを与えてしまったり、目を覆うようなプレーが続く。
失うものがありすぎる東京、失うものがない京都。京都はのびのびとプレーをし、東京はガチガチ。1失点しての後半は、さながら東京のシュート練習のようになったが、精度に欠くうえに京都ががっちり守っているために得点の気配もない。そして、あせりが生んだ2失点目。一方で、携帯で追いかけた神戸の試合スコアは圧倒的だった。万事休す。

↑ピッチに用意された観客席で見ていたのはスタッフの皆さん!?
残念だとか言う以前に、試合結果はまったくもって妥当なもので、それによる降格も仕方がないというほかない。あんな試合をしているようでは勝てるわけがなく、そういう試合を積み重ねてきたからこその降格なのだから。

↑弱いから負けたんだよ
個人的には、FC東京の歴史をつくったこの試合を生で見ることができて、とてもよかったと思う。TV観戦だったら、耐えられなくて途中で目をそらしてしまうか、音声だけ聞きながら他のことを始めてしまったかもしれない。でもその場にいたから、しっかりと見届けることができた。
2002年から東京を見始めたので、昇格の瞬間は知らない。ナビスコ決勝の2試合は見ることができたが、この降格のインパクトに比べたらたいしたことがないといっていいくらい。他の2チームのように数字上で降格が決まったのではなく、1試合の勝敗で土壇場で転げ落ちたのだ。しかも、その引き金を引いたのは自分たちのふがいなさ。
海外には100年を超える歴史をもつクラブがたくさんあって、サポーターたちは命が続くあいだはクラブの浮き沈みを身をもって経験していく。東京の歴史はたかだか10数年だが、そんな仲間にようやく入れたという気持ちだ。のーてんきなのかもしれないけど、これからもこのチームとずっと付き合っていくんだという気持ちを新たにさせてもらった。
次なる東京の試合は天皇杯。下克上が魅力の天皇杯には、ほんの3日前までは「福岡が東京に勝つ」というシナリオが用意されていたかもしれない。だが今や、同じ「J2がJ1に勝つ」というシナリオでもチーム名が入れ替わるというという事態になってしまった。
これから契約更改交渉などが始まる東京の選手たちに、天皇杯を戦う気力が残っているかどうかはわからないけれど、それでも「天皇杯ってそういうことが起こるもんだよねー」というドラマを期待したいという気持ちはある。リーグ最終戦では多くの選手が不完全燃焼で終わったはず。2010年を悔いなくしめくくるためにも、最後の底力を見せてもらいたいと思う。
*シーズン全体の考察は別記事で書くつもり~。
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